開催日:2004年8月2日(月)〜3日(火) / 天気:晴れ

目的地:岩手県 夏油温泉 / 参加人数:11人 

内容:

 8月2日朝から真夏の日差しが容赦無く照りつける。気温はすでに30度を越えているような気がする。
バイクにとっても真夏はけして気分爽快なツーリングとは言えないのだ。
基本的にどんなに暑くても長袖、長ズボン、ブーツにグローブ、そしてヘルメットと言う完全武装の出で立ちなのだ。

朝6時仲間4人とともに出発。小見川大橋の所で1人と合流してそのまま水戸方面にむけて走りつづける。
鹿嶋からR51へ入りサッカースタジアムのあたりまで来ると、ツーリング初参加の吉田さんの姿が見えなくなったので道端でしばし待つ事にした。彼はバイク歴は6〜7年有るのだが、ほとんど単独行動で遠出はした事が無いとの事.。
少しだけペースを落とし走り始める。
完全武装してても走り続けてる時はまあまあ快適と言えるかも知れないが、信号待ちなどでは上からの太陽と路面の照り返しで体から汗が出るのがわかる。走り出すとスーッと汗が引き快適な気分になる。

そんな事を繰り返しながら大洗のコンビニで最初の小休止を取る。

再び走り出して塩崎の交差点を過ぎたあたりで車が混みだしノロノロとしばらく走ると四輪車が道路脇の街路樹に衝突してボンネット部分が大破している光景を目にする。渋滞の原因はこの事故だったのだ。それにしても縁石を乗り越えて街路樹に衝突してこれだけの大破をするのにはかなりのスピードが出ていただろうと思われる。車の外にはドライバーとその同乗者らしき二人の男性が血を流して立っていた。
そんな光景を横目で見ながらR6に入り常磐道、日立南太田ICに向かう。

高速入り口手前のガソリンスタンドで給油の為停車。私のW650は鉾田あたりで予備タンクに切り替えて走行していたのだ。
そしていよいよ常磐道に乗り休憩予定の中郷SAをめざす。このグループには飛ばし屋が居ないので常時110〜120キロ位で走行。初参加の吉田さんがやや遅れるものの中郷はもうすぐなのでそのまま走りつづける。
中郷に着くと気温は高いが湿度が少なくサラッとした空気が快適に感じられた。15分程休憩して出発。次の休憩は磐越道、阿武隈高原SAだ。中郷、阿武隈間約80キロ、各自自分のペースで走り10時に阿武隈SAに到着。休憩後給油をして次の休憩地点東北道、菅生PAをめざす。阿武隈、菅生間約115キロ、東北道は交通量も少なく快適な走行を楽しむ事が出来ました。菅生PAでは待望の牛タンを食べ、昼食も済ませてしばし休憩ののち今回の出口、平泉前沢へ向けて出発する。

W650は高速走行でも110〜120キロ位の速度なら昔の複翼機のような音をさせながら快適に平和に回りの景色を楽しみながら走る事が出きる。上り車線で覆面パトに捕まってる車を横目で見ながら、少しの間スピードを100キロに落としたり、ヘルメットの中では演歌などを口ずさみ、そろそろ平泉前沢の出口が近付いて来たその時である、
W650にガス欠の兆候が現れる。エンジンが吹けなくなりスピードダウン。そろそろガス欠になる頃だと解っていたので走行を続けながらガソリンコックへ手を伸ばし予備タンへの切り替えをする。だがその予備タン切り替えレバーはすでにRESになっていたのだ。燃料の供給が途絶えたエンジンは駆動からブレーキに変わっていた。私は即座にクラッチレバーを握り惰性走行のまま1メートルでも先へ行こうと大して意味の無い行動とった。先頭が私なので後続車が気付いてくれるかなと淡い期待を抱きながら‥‥。
だがその期待は見事に裏切られて後続車は次々と私を抜き去って行ってしまったのである。出口まで後700メートルの所でとうとうSTOPしてしまったのだ。私は路肩にW650を止めてまた意味の無い行動をとる。タンクキャップを開けて中を確認する。見事に空っぽだ。W650のタンクは真中がエグレているのでコックの反対側に少しはガソリンが残っているかも知れないと思ったのだが、1滴も残ってないのだ。さてどうしようか、携帯で先に行ってしまった仲間に連絡すると、「あと700メートルだから押してこーい」などと言ってるではないか。
まあ確かに高速道路を逆走は出来ないし、押して行くしか無いのかなぁって思っていたら、後方からバイクが来るではないか。ツーリング初参加の吉田さんが来た。このチャンスを逃がしたら本当に700メートルWを押して行かなければならなくなる。私は大きく両手を振って迫り来る吉田さんに合図を送る。私に気が付いた吉田さんは50メートル程行き過ぎてストップしてくれた。
吉田さんのバイクはCB400SFガソリンを分けてもらうには好都合なのだ。
私は持っていたお茶のペットボトルを飲み干しCBのタンクを外してコックの所にペットボトルを宛がいチョロチョロと500ccのガソリンを頂いた。

息を吹き返したWはCBと共に高速出口向い走り出す。国道4号へ出て燃料を入れて県道37へ。交通量も少なく快適なワインディングロードだ。路肩には冬季に積雪量を示すポールが並び北国に来たことを実感する光景が続いている。

県道122へ左折すると夏油温泉の看板が見えた。しばらく行くと入畑ダムの人造湖がとても良い景色なので湖畔に下りて写真を撮ってると遠くから聞き覚えのある音が近づいて来る。ツーリング参加者の安藤さんのW650である。ここで一緒に記念撮影をして、いよいよ夏油温泉到着である。時刻は4時を少し回ったところだったので参加者の誰かはすでに到着してると思いきや私達が一番乗りだった。

チェックインを済ませ部屋に入るとやはりまずビールで喉を潤し暫しの歓談をして外の露天風呂へ入ろうと皆で宿の玄関を出たところでツーリング参加の別グループが駐車場に入ってきた。先行隊だから先に到着してるはずが私達より1時間も遅れての到着である。
よく見るとM900で参加の田谷さんがCBX750の菅井さんにタンデムしてるではないか。これはドカの事だから途中でトラブったなと思い話を良く聞いてみると、工事中のジャリ道で簡易信号の有る片側通行の赤信号で停車したM900に後ろから来たCB1300の菅澤さんのブレーキタイミングが若干遅れさらにジャリでタイヤが滑り追突してしまった様である。でも追突したCB1300は走って来てるしこれと言って損傷も無い様に見える。
さらに話しを聞くとCB1300のフロントタイヤでM900のカーボンサイレンサーが折れてしまいさらにフロントフォークとディスクローターでタイヤを破りホイルの縁を歪めてしまった為走行不能となったようである。まあ双方転倒もしなかったしケガも無かったので今後の良い教訓として皆気を引き締める事にした。(ほんとは笑い話になっていたようです。)
その晩の宴会は大いに盛り上り昼間の疲れもあって皆おとなしく(?)眠りについたようである。
たかだか一泊二日のツーリングでも実にいろいろな経験をする。日常生活には無いオートバイツーリング特有の体験である。四輪車での旅行は忘れても二輪車でのツーリングは忘れない由縁がここいらに有りそうな気がするのは私だけでは無いと思う。
明日はどんな出来事が待ちうけているのか、楽しみにしながら眠りに付いた。

 8月3日朝食と宿の清算を済ませ9時に出発だ。
2日目は団体行動なので千鳥走行をしながら県道37を走る。天気も良く景色も良く東北の朝の空気に浸りながら皆気持ち良さそうである。途中国道107との交差点で給油をして走行を続ける。この国道は平和街道と言う名前のとおり快適で平和で絵葉書のような景色の中を走るのはオートバイ乗りにしか解からない至福の一時である。
相野々温泉を過ぎて県道40へ左折する。この県道は舗装されているものの道幅は狭く葛折れのブラインドコーナーが続き気を抜く事が出来ない。私は後尾を走っていたが先頭グループはもうとっくに見えない程先に行ってしまうしあまりの遅さにだんだんと睡魔が襲ってきた。むやみに抜き去る事も出来ないし、何度かガードレールぶつかりそうになりながら必至で(別の意味で)走り続けやっと休憩している先頭グループに追いつき暫しの休憩。
再び走り始めた時私は先頭グループに入り緊張感を持ってコーナーを回っていた。
ここで思うのは安全運転とは、ただノロノロと走る事では無くある程度の緊張感は必要だと思う。勿論自分のテクニックを超えた走りは事故に直結するので危険この上無いがテクニックに見合った走りと程々の緊張は睡魔を蹴飛ばし頭も冴えて来るのだ。
次々と迫り来るコーナーを楽しみながらR342に入る。しばらく行くと路肩に車が止まって数人の人達が何かしているのが見えてきた。私達はゆっくり近づきながら様子を見ると湧き水だ。路肩の壁面から涌き出る水を汲んでいたのだ。私達もバイクをとめて暫しの休憩を取る事にした。湧き水の横には立て札があり、岩手県の品質検査済みである事が書かれていた。なんと水温6℃冷たくて美味い。ペットボトルにもいっぱいにしてバイクに括りつけた。昨日はガソリン今日は湧き水とペットボトルは大活躍である。

このままR342を一関市内まで行き昼食に冷麺を食べて長めの休憩をとり一関I.Cから東北道へ時刻はすでに2時を回っている。オートバイのツーリングは台数が増えるほど移動に時間がかかる。到着は9時か10時かなどと考えながら東北道をひた走り、長者原SAで休憩と補給。
8月は平日でもツーリングのバイクがけっこう多い。一人旅で青森のねぶた祭りを見てきたと言う女性ライダーとしばしの歓談をして再び走り始める。次の休憩は安達太良SA、ここでは小腹が減ったので牛串をたべて少しだけ昼寝。

                私達グループは休憩時間がやたらと長い。平均年齢が高いせいなのか、時間をあまり気にしないマイペース型人間が多いのかは定かではないが、… 安達太良SAを出発して郡山Jctから磐越道へ。あたりはだんだん暗くなって来た。そしていわきJctから常磐道へ。中郷SAに着くころには7時を過ぎていた。ここで夕食にして外へ出て水銀灯に照らし出されたもみじの葉が少し赤く見えて昼間の熱気が徐々に心地良い温度に変わり、仲間達とこの次は紅葉の中を走りたいね、などとツーリングが終わりに近づくと次のツーリングの話しが始まる。私も感心するほど皆バイク好きなのだ。
そして日立南で常磐道を降りR6へ大洗のコンビニで休憩を取りR51を鹿嶋へ。スタジアム前のコンビニで休憩そして解散。

2日間の旅を心に留めて、心地よい疲れを感じながら家路についた。走行距離1200キロ、思い出多数、だからバイクは止められない。




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